■無銘■
・全長 ・不定
・刃渡り ・不定
・刃材 ・不明
・柄長 ・不定
・刀芯 ・不明
・重量 ・不定
・造師 ・不明
・価格 ・10,000 セル
近付いて観る


・君も客か?
 残念だが店主も店員も居ないらしい。
 私はディメオン、客の一人なんだがこの通りだ。
 老師らにも無用心だと申し上げたのだが……。
 この品のことは私も知っているから、代わりに話そう。

 これは説明するのも気が滅入る。
 古い物のようだが、一体どれくらい古いのか見当もつかない。
 問題なのは古さよりも、この大鎌が持つ特殊な力だそうだ。
 それは強烈な瘴気(しょうき)だと。

 ほかの無銘品と同様に食べ物を腐らせたりするのだが、
 この大鎌ばかりは、腐らせた挙句に分解してしまうらしい。
 まるで生き物が死に、腐り、土へ返るように。

 強力な霊材の箱ならば保管することも出来るが、
 これを使って獣を退治するのは、いささか人間には難しい。
 ……と、私がこんなことを云ってはいけないのだが、
 店主の老師も同じことを仰るだろう。

 これを持ち込んだのは、ぼろぼろの服を着た者だと聞いている。
 その者が男なのか女なのか…顔を見せてくれなかったらしい。
 手袋もしていて、肌を一切露出させていなかったとも聞いた。
 それに代金は受け取らない、妙な話だ。

 おっ、帰ってきたな、それではこれで失礼する。
 そもそも客が生意気に講釈すべきではなかった。

 はて、私は何をしに来たのだったか……。


・実際の大鎌は、「デス・サイズ」の線画に含まれています。
従って単体での絵ではないため、少し合成・修正されています。

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