-Dimension-Zero 「バンブー・ベイビー II」-

「人生のすべてがグラスの中にある。 まずは飲みな、仕事の話はそれからだ」
                                  〜バンブー・ベイビー〜

                                   (フレーバーテキストより)

バンブー・ベイビー II

■2007年8月頃
Dimension-Zeroのプロモーションカード。
仕事としては「絨毯爆撃」〜「ロサ・カロリーナ」と同時期です。

現物は届いていないのですが、既に配布されていたようです。
一年以上も知らなかったので、何か云われるまで公開します。
私の中では「竹坊(たけぼう)」と呼んでいます。

『プロモカードのバンブーの担当? あぁ、それは七片でしょ』

―――とか云われてそうだと思いました。
脇腹に包丁を突きつけられるような、断れない雰囲気です。

「バーの椅子に座って飲んでいるけど、足は床に届いていない」

それが指定です。
「きっと仕事の話が始まる前で、まだ商談相手は来ていない」と、
一発で想像できたので、産みの親として添い遂げる覚悟ですが、
私が父親なら、こんな放蕩息子は生後すぐに竹トンボと交換します。

それはともかく、私がお酒を飲む時は例外なく自宅で独り酒です。
バーなんて行ったことがありませんし、ドラマか映画で観る程度でした。

「ショットバーってなに?」

どこかで聞いた「ショットバー」という言葉。
調べてみると「ボトルキープしないのがショットバー」と出てきたので、
ふらっと立ち寄る格好が、なんとなく彼に合っている気がしました。

しかし、大陸のキヲクでは身長30cmですから、
本来なら、もっとカウンターの高さが違うはずですが、
他よりも高く調整された椅子を使い、グラスも小さくして、
「あれ(第5弾)から成長(生長)した」と云うことにしました。

この作品における2人目の主役である(と思っている)バーテンさんは、
線画に取り掛かる直前まで、描くかどうか決まっていませんでした。
描くにしても人間は使えないため、「緑の大陸」の住人に限定されます。
改めて担当さんに聞いてみたところ、

「種族がライカンスロープなら、デザインは自由だよ!」

となったので、「ライカンスロープなら狼」と決めていた私は、
竹坊の暴言を軽く受け流す、度量のある男が欲しいと思い、
懐の広そうな落ち着いた雰囲気の狼男にしました。

しかし、狼男と云えば指先までが「狼の手」のはずです。
「毛だらけの手でグラスに触れるのはどうだろう」と思い、
ライカンスロープは体の一部が機械化された種族ですから、
手首から先をサイボーグっぽくしました。

この“手”が、今回の苦心点です。
思えば、これにかける意気込みが全てを決めたようなものでした。
「旦那、それは云い過ぎですよ」みたいな雰囲気を目指しています。

主役は竹坊ですから、シェイカーを振る姿は役を食います。
軽い手つきで静かにグラスを磨く姿……と思って描いたのが始まりで、
とにかく神経質に取り掛かった憶えがあります。

画面6分の1まで押し込めるため、脇が締まった窮屈なポーズです。
眼帯は勝手に描き加えた「ワケあり」の印(昔は強かったとか)。

ちなみに、ボトルラベルは全て異なるデザインです。
「竹坊の役を食わないため」という理由から、
バーテンさんのツートンカラーも、対比を極限まで抑えています。

左の椅子が寂しいものの、荷物を置かせるわけにも行かず、
「独りで飲む」、「バーテンさんが隠れる」などの理由から、空席にしました。


おまけを用意しました。
先述の通り、ラフのバーテンさんはアタリだけです。
「遅ぇじゃねーか……まぁ座れよ」

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