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■発行:株式会社カンゼン
描き下ろし分5点を担当しています。
2009年4月から5月にかけての作業です。
(その他の情報は、Amazonを御覧下さい)
■私は人物より怪物、東洋より西洋を描くので、
依頼が来た時は、断るべきか悩んでいましたが、
「そこまで難しく考えないで」と云われ、挑戦しました。
そんなわけですので、史実に基づく人物画ではなく、
武将っぽさと最低限の描き分けのみに主眼を置く、
コンセプトから「そういう仕事」になっていますので、
細かいことは本書に委ねようと思います。
以下は手掛けた順で揃えてありますが、
本書は分厚いため、括弧内に該当ページ数を記載しました。
※「この武将はそんなイメージじゃない」などの御意見は、
依頼の性質上、私に云われても困ります。 |
■新装版■ |
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■最上義光 (P190)
最初に手掛けた作品です。
着物なのかボロ布なのか分からない衣装は、
「温泉で盗賊を返り討ち」という逸話から荒っぽさだけ引き出したもので、
そうした要素を添加した例としては、これ一枚のみになっています。
分かってはいたのに、最後まで「よしみつ」と読んでしまいました。
そしてヨシミツと云うと、後輩が「鉄拳4」を8時間もプレイし、
私に「お前もう帰れ」と云わせことを思い出します。
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■風魔小太郎 (P138)
忍者である風魔一党の頭領が、代々名乗った名前……ですが、
ここでは忍者であると云う点だけが重要でした。
足袋の下に草鞋(わらじ)を履かせるかどうか悩んだ挙句、
「お城に忍び込んだところ」と云うことにしました。
私にしては珍しくバックから描いた絵です。
なお、依頼に際して「描けそうな人物」を何人か聞かれたものの、
最終的に希望が通ったのは、この一枚だけでした。
本書中では断ち切り対象なので、これのみサンプルを公開致します。
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■片倉小十郎 (P158)
ここから残り3枚まで、ほとんど何の関連性もないデザインです。
日本の鎧兜は装飾や構造が複雑なので、色々と端折ってあります。
まともな鎧に倣った作品は必要ないこともあって、「それっぽさ」だけです。
これに限らず、鎧を着れば多少なりに着膨れするものですが、
今回は基本概念が優先したので、細かい再現はしていません。
また、兜も頭部が隠れるので採用しませんでした。
刀の大きさや作りも同様です。
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■松永久秀 (P260)
生え際前線を後退させているのは、描き分け上の都合です。
ここからアイテムとして「陣羽織というものがあった!」と気付き、
最後の一枚を含め、2枚とも記号に逃げた感じです。
右手を小さく描いてしまいました。
色々と肩の力が抜け始めるのは、やはり何枚か描いた後らしいです。
この体質は一生変わらないのでしょうね。
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■明智光秀 (P016)
もちろん名前も知っていますし、色々と史実を添加することも出来ますが、
今回の仕事は、それらを意図的に無視することが必要になったため、
「名前がそうなっているだけ」という考え方で進めるのは、ほかと同じです。
よく考えたら、静物に動物や怪物の名前をつけるのも同じ考え方ですね。
一通り担当さんの評価が良かったので、ひとまず「よし」としましたが、
本書の2番目(信長の次)に紹介されているとは思いませんでした。
恥ずかしいです。
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