-神々の世界一決定戦―最強の神は誰だ!?-


■発行:笠倉出版社
モノクロ5点を担当しています。
2010年9月〜10月にかけての作業です。

(その他の情報は、Amazonを御覧下さい)

■コンビニ向けのB6サイズ書籍となります。
様々な視点で神々を比較しており、より娯楽性の強い一冊です。

この仕事は一冊前の「聖書の人々」と同時進行で、
開始すぐには手を着けられずにいました。
前者から解放されたと同時に全力を傾けたので、
途中から出来が変化しています。

モノクロの仕事は何度目かになりますが、
「色を使えない」という考え方から「色を使わなくてよい」と改め、
悩む時間を描き込みに費やしたことで、結果的に質が上がりました。

サンプルは2点を、描いた順番に公開します。

■バロール
いつかに描いたものとは、かなり違います。
視線で人を殺せるのに、この上やたら強そうなのはオーバーですが、
この本の方向性としては合っているのではと考えました。

篭手(こて)が私らしくないデザインです。
たまには良いかなと思いまして……。

■オシリス
とにかく云いたいことは「包帯」でした。
映画に出てくるミイラみたいなボロボロ感を出したくて、
実際に使われたであろう包帯の幅は、最初から無視しています。

当初は棺から起き上がった構図になる予定でしたが、
視点が偏りがちなので、神殿内を徘徊しているものに変えました。
胸と腰にある印は、オシリスのシンボル(だったはず)です。

■カーリー
今まで色々描いてきましたが、これを描くのは初めてでした。
長い舌、背中を覆う長髪、頭蓋骨の首飾り、
剣と槍とチャクラム、切り落とした腕で作られた腰みの……。
特徴だけは豊富なので助かりますが、槍がダサすぎです。

昔のストップモーション映画を意識して描きました。
あの技術は動きの禍々しさがモンスターっぽくて大好きです。
CGより着ぐるみより、ストップモーションが一番。
■インドラ
カーリーに続き、初めて描いた神です。
白象にまたがっているのが指定であったため、構図は半々です。

向かって左上の槍のようなものは、アンクスと呼ばれる象使いの棒で、
その針と鉤(かぎ)によって、象のツボを突いて操るそうです。
象は皮膚が分厚く鈍感なので、こうでないと何も感じないとか。
知らない人は動物虐待だと思うらしいですね。
■トート
今回最も上手く行った一枚だと思っています。
仕事で描くのは初めてですが、サイトでは数年前に描いたので、
当時よりもマシな一枚にしたくて頑張った記憶があります。
サイト作品では退屈なポーズだったので、今回は躍動的に。

頭と腰にトートを示すヒエログリフを入れましたが、
単体で意味を成すか、あるいは文字が合っているかは不明です。
エジプト語に詳しい方、教えて下さい。

以上、5点でした。

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