-Balam-

人は何が愚かで罪深く、何が憎むべき仇敵たるかを知らねばならぬ。
世界をあまねく照らし、隠された秘密を暴くがよい。
それを全てと知るがよい。

そうして闇を追い詰めよ。
誇り高き人智の名のもとに。

Solomon's 72
バラム
(Balam / Balan / Balaan)

■2010/07/07作品
■[1600*1200]
■[1024*768]
■[線画]


 「ソロモンの七十二柱の魔神」(またはソロモンの精霊)の内の一体。
40個軍団を率いる強大なる王であり、第一の頭に牡牛、第二に角の生えた人間、
第三の頭に牡羊の三頭を頂き、大蛇の尾を持ち、片手に鷹を留まらせ、
狂暴な熊に乗って現れ、堕天前は主天使であったとされます。

 夜の獅子宮を20〜30度まで支配し、燃えるように輝く瞳で人を見つめ、
小さな勝利、威嚇、苦戦、物事をめぐる小競り合いを司り、
召喚者が望めば、しわがれた声で過去・現在・未来について正確に答え、
召喚者を策略に優れさせたり、その姿を透明にする方法も与えます。

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久し振りに何か一枚を描きたくなり、大きそうな悪魔として彼を選びました。
翼を一回、顔を三回描き直しています。

 こういうタイプ(含まれる動物が数種類)の悪魔は、退屈になりがちです。
大蛇、牛の頭、羊の頭、熊……と、一人で動物園が開園できそうな体は、
記号として動物を配置するに当たり、部品の多さから取り回しづらく、
それぞれが見える形におさめると、自然にポーズが偏るからです。

 そんなわけで、数年ぶりの一枚としては面白くない絵ですが、
仕事で得た技術を放り込み、好き勝手にやってみました。

 なお、この作品の背景や名前部分を除く「バラム本体」は、
その作業のほぼ全てを、「SAI」という描画ソフトにて描いています。
機能や要求される仕様により、これ一つで仕事をこなすには大変そうですが、
WEB用イラストとしては、このソフトで十分なものが描けそうです。

 そして、まともなサイト作品としては最初のフルデジタル作品です。
一つ前の作品は2006年の「サタン」ですが、これは紙面線画から起こしました。
この4年間に、仕事を介してフルデジタルへ移行していたことになりますね。

 魔方陣などは、昨年のHDD故障によってデータが失われ、
また最初から作り直したので、ややクッキリしているのが分かりますでしょうか。
手を加えた箇所もあります。

 本当はこんな背景にするつもりはなく、きちんと描く予定でしたが、
今後の予定のため、もっとじっくり考えてから決めようと思います。
後で差し替えるかも知れません。

 ちなみに線画は、鷹だけは独立して描かれたものを合成しています。
この鷹は、資料によってオオタカ、ハイタカ、タゲリと一定しないため、
間をとって「鷹らしきもの」としましたので、こんな鷹はいません。
また、鷹が小さいのはバラムや熊が大きく見せるためです。

 また、今回から私の描く悪魔には、彼らの力や権威の象徴たるものとして、
彼らの姿に直接関係のないデザインで装飾を設け、これを「飾角」とします。
裁判官が着けるカツラのようなものだと思って頂ければと存じます。

 そんなこんなで、11周年に間に合わせてみました。
これからもエーテルを宜しくお願い申し上げます。



■聴いていた曲
 後輩がXBOX360を持ち転んでくれたおかげで、良い曲に巡り会えました。
 「ベヨネッタ」のラスボス曲を繰り返し聴きながら描いています。
 最長で7時間を聴きっぱなしでした。


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