-Tiamat-

わらわを屠れると思うてか!
よかろう!

高みで息巻き勝利を願う卑しき者供、とくと照覧あるがいい!
その五体もろとも消し滅ぼし、この世の末まで笑われ種にしてくれる!

Tiamat
(ティアマトー / ティアマット)

■2005/03/18・改
■[1600*1200]
■[1024*768]
■[線画]

■2001-05/05・旧
■[1024*768]
■[800*600]
アッカド神話に伝わるバビロニア海神ティアマトー。
ティアマトーは女神であり、海水を司る古き神です。
彼女と属性を反するのが、淡水の神「アプスー」となります。

ティアマトーはアプスーを夫として数多くの神々を産んだ母親でしたが、
産まれた神々があまりに騒々しく、親である二神をからかうために、
アプスーは、生命を司る小人の神「ムンム」に相談し、
彼らを一掃する計画を立てました。

しかし、いち早くこの計略に感づいた神々は、
先手を打って父親であるアプスーを殺し、ムンムを捕虜とします。
この後、続けて無謀にもティアマトーへ闘いを挑みましたが、
無限の魔法を操るティアマトーの前に大敗しました。
ティアマトーは夫を殺された恨みから、11体の魔物を産んで軍隊を組織します。

敗北した神々の中では、主神「エア」に息子「マルドゥーク」が産まれ、
エアは、マルドゥークにティアマトーを討つための様々な力を授けました。
こうして一度は敗北した神々が、マルドゥークを差し向けての再戦に挑みます。

ティアマトーを口汚く罵ったマルドゥークは、
エアの授けた力で ティアマトーを圧倒し、ティアマトーを討ち果たすと、
その死体で自らが支配する世界を創造したと云います。

こうしてティアマトーを滅ぼした神々ですが、
彼らは彼らの楽園誕生を喜んだのみで
母親を殺めた事を 哀しむ者など居なかったそうです。

しかし、ティアマトーはアプスーを見殺しにとする説や、
神々の騒々しさを嫌って戦いを挑んだのはティアマトーだとする説もあります。
また、ムンムが関与しなかったとする説もありますが、
いずれにしろ、ティアマトーが孫に殺される運命は変わっていません。

ギリシャ神話に登場するエキドナに並び、
数多くの魔物を産んだ神として有名なティアマトーですが、
神々を生んだ母親としては、あまりに浮かばれない最後です。



・「改」は、とにかくダイナミックにしたくて描きました。
 水飛沫は、歯ブラシを使っての作業です。
 着色は四日で終わらせると云う、かなりの強行軍でした。

 表示できる大きさに限界があるとは思いますが、ぜひ大きなサイズで御覧下さい。
 TURUGIさんに進呈後、Dragon Conventionへ寄稿した作品です。

 また、2006年からメタルバンド「CrossouT」のトップ画像になました。

[Back]