アッカド神話に伝わるバビロニア海神ティアマトー。 ティアマトーは女神であり、海水を司る古き神です。
彼女と属性を反するのが、淡水の神「アプスー」となります。
ティアマトーはアプスーを夫として数多くの神々を産んだ母親でしたが、
産まれた神々があまりに騒々しく、親である二神をからかうために、
アプスーは、生命を司る小人の神「ムンム」に相談し、 彼らを一掃する計画を立てました。
しかし、いち早くこの計略に感づいた神々は、
先手を打って父親であるアプスーを殺し、ムンムを捕虜とします。 この後、続けて無謀にもティアマトーへ闘いを挑みましたが、 無限の魔法を操るティアマトーの前に大敗しました。
ティアマトーは夫を殺された恨みから、11体の魔物を産んで軍隊を組織します。
敗北した神々の中では、主神「エア」に息子「マルドゥーク」が産まれ、
エアは、マルドゥークにティアマトーを討つための様々な力を授けました。
こうして一度は敗北した神々が、マルドゥークを差し向けての再戦に挑みます。
ティアマトーを口汚く罵ったマルドゥークは、
エアの授けた力で ティアマトーを圧倒し、ティアマトーを討ち果たすと、 その死体で自らが支配する世界を創造したと云います。
こうしてティアマトーを滅ぼした神々ですが、 彼らは彼らの楽園誕生を喜んだのみで 母親を殺めた事を 哀しむ者など居なかったそうです。
しかし、ティアマトーはアプスーを見殺しにとする説や、
神々の騒々しさを嫌って戦いを挑んだのはティアマトーだとする説もあります。
また、ムンムが関与しなかったとする説もありますが、 いずれにしろ、ティアマトーが孫に殺される運命は変わっていません。
ギリシャ神話に登場するエキドナに並び、
数多くの魔物を産んだ神として有名なティアマトーですが、
神々を生んだ母親としては、あまりに浮かばれない最後です。
・「改」は、とにかくダイナミックにしたくて描きました。
水飛沫は、歯ブラシを使っての作業です。
着色は四日で終わらせると云う、かなりの強行軍でした。
表示できる大きさに限界があるとは思いますが、ぜひ大きなサイズで御覧下さい。
TURUGIさんに進呈後、Dragon
Conventionへ寄稿した作品です。
また、2006年からメタルバンド「CrossouT」のトップ画像になました。 |