-Fefnir-

此は神々に呪われし財宝なり。
輝きに魅入られた者は、非業の死を遂げるであろう。
この忌まわしき呪いで、愚か者の末代すら呪われん事を!

我が名はファフニール。
左様な剣で我を屠ると云うのか?

笑わせるな人間ごときが。
我に盾突くなど片腹痛いぞ。

ファフニール
Fefnir
(Favnir)
(ファフニール / ファーブニル / ファブニル / ファフナー)

■2000年作品
■[1600*1200]
■[1024*768]
■[線画]

北欧神話の中には、
「ジークフリート(「ザイフリート」、または「シグムント」)」と云う、
名高き竜殺しの英雄が登場します。

彼は鳥のさえずりを理解したり、
鋼の剣を弾き返すほどの体を持っていたとされますが、
それらの力は、ファフニールの血を浴び、
彼の心臓を食すことで授かったものだとされます。

ジークフリートの冒険と、その死などを描いた、
中世ドイツの英雄叙事詩「ニーベルングの歌」では、
宝物を守護するドラゴンとして登場しています。

もとは小人の魔法使いであったファフニールは、
父親の持つ財宝に目がくらんで父親を殺し、
さらに弟の「レギン」を追放し宝を独占しました。
しかしこの財宝には、持ち主に災いをもたらす呪いがかかっていたのです。

追放を恨み、復讐する機会を窺っていたレギンは刀鍛冶となりました。
彼は養子のジークフリートに、ファフニールを殺すための武芸を仕込みます。
そして魔法の剣「グラム」を持たせ、兄であるファフニールを殺させました。

この時ファフニールは、「レギンはお前を殺すだろう」と残して果てます。

レギンはファフニールの心臓に不思議な力があることを知っており、
その心臓を焼いて食べるため、ジークフリートに料理を云いつけました。
焼き上がったら知らせるように命じると、レギンは眠りこけてしまいます。

ジークフリートは焼き加減を見ようと心臓に触れ、その指を舐めます。
するとその瞬間から、小鳥の言葉を理解できるようになりました。

「あの人はレギンに殺される」
「その心臓を焼いて食えば、誰よりも賢くなれる」

聞こえてきたのは小鳥の話し声でした。
ファフニールが死に際に残した言葉は正しかったのです。

ジークフリートは眠っているレギンの首を刎ね、死を逃れました。

ファフニールを倒した時、ジークフリートは全身に返り血を浴びますが、
その血の力で鋼のように丈夫な体を手に入れました。
しかしその時、両肩の間にだけ木の葉が貼り付いて返り血を浴びず、
それが弱点となり、後に部下の裏切りから殺されてしまうそうです。


鹿人氏へ贈呈しました。

この作品は国産ソフトで描いていた頃のもので、
モノクロ画を色調変化のみで処理しています。
減色率を高く、画質が悪くなっています。

この上ファイルを紛失したため画質改善もできません。

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