-Legion-

こうして彼らは海の向こう岸、ゲラサ人の地に着いた。
それから、イエスが舟からあがられるとすぐに、
けがれた霊につかれた人が墓場から出てきて、イエスに出会った。

この人は墓場をすみかとしており、
もはやだれも、鎖でさえも彼をつなぎとめて置けなかった。

彼はたびたび足かせや鎖でつながれたが、
鎖を引きちぎり、足かせを砕くので、
だれも彼を押えつけることができなかったからである。

そして、夜昼たえまなく墓場や山で叫びつづけて、
石で自分のからだを傷つけていた。

ところが、この人がイエスを遠くから見て、
走り寄って拝し、 大声で叫んで言った、

「いと高き神の子イエスよ、
 あなたはわたしとなんの係わりがあるのです。
 神に誓ってお願いします。
 どうぞ、わたしを苦しめないでください」。

それは、イエスが、
「けがれた霊よ、この人から出て行け」と言われたからである。

また彼に、
「なんという名前か」と尋ねられると、
「レギオンと言います。大ぜいなのですから」と答えた。

そして、自分たちをこの土地から追い出さないようにと、しきりに願いつづけた。
さて、そこの山の中腹に、豚の大群が飼ってあった。

霊はイエスに願って言った、
「わたしどもを、豚にはいらせてください。その中へ送ってください」。

イエスがお許しになったので、
けがれた霊どもは出て行って、豚の中へはいり込んだ。

すると、その群れは二千匹ばかりであったが、
がけから海へなだれを打って駆け下り、海の中でおぼれ死んでしまった。


口語訳聖書(日本聖書協会発行)新約初版(1954) マルコの福音書 第五章・01〜13節

レギオン
レギオン
the Darkness Spirits

■1993年作品(2002-08/18加工)
■[1024*768]
■[800*600]
■[線画]

1993年頃、鉛筆(薄・7H〜6B・濃)で描いた作品を、少し加工してみました。
移転前のエーテルでも公開していましたが、移転に伴って下げた作品です。
元の絵には、鉛筆、 堅毛ブラシ、ティッシュを使いました。

作品中に付加した英文は、
英語版新約聖書の「マルコによる福音書」の一説です。

この作品に聖書の内容を付記する切欠となったのは、
スティーヴン・キングの「悪魔の嵐 (STORM OF THE CENTURY)」です。

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