■2006年04月頃
アッパーデック社牙TCGの第5弾ブースターパック封入作品です。
当時の受注分では3枚中の最後に描いたものです。
上記の年を見ると分かりますが、これは第1弾の時に描いています。
リリースされなかった作品は、続きのブースターで公開されるため、
都合上、まる一年以上も日の目を見ませんでした。
英語名が面白いと思います。
・トーガを着ている
・建物よりも大きな巨人(タイタン)
・樹木をハチマキようにねじって頭に飾る
・細かな彫刻が施された石柱を武器としている
・腕には「跳ね橋」をくくりつけてバックラー(小盾)の代わりに
・兵士の盾を集めて作った帷子(かたびら)を着込む
・兵士たちの武器をアクセサリに
・船底が平らな船をサンダル代わり
―――という独創的な設定に胸躍る私でしたが、
盾一枚や、舟や跳ね橋の大きさは色々なので、
「どこに大きさの基準を設けるか」で悩みました。
結局、盾の大きさが最小単位になるだろうと考え、
それぞれのパーツは盾の大きさをもとに描いています。
舟と跳ね橋のサイズは……大小あるので御愛嬌です。
石柱の彫り込み表現が甘かったなぁと反省する半面、
崩れかけのタイルがよく描けたかなと思っています。
剥げたタイルが落下する様子も入れるべきでした。
先述のとおり、これは立ち上げ当初に描いた作品であるため、
製品版では「船のサンダル」がカットされています。
イメージとしては、ネバーエンディングストーリーに出てきた、
岩を食う巨人の「ロックバイター」です。
■裏話
(1)ラフを見たUSサイドの「帷子の盾が小さすぎる」とのクレームに、
「『建物より大きい巨人』だから、小さく見えるのは当たり前です」と、
日本サイドのスタッフさんが戦ってくれたそうです。
感謝しています。
(2)背景指定と背景資料の両方がないのは困りましたが、
どこかの城壁外を描いたところ、それが採用されてしまいました。
キバの世界で、このような城があるかどうかは分かりません。
なかったらごめんなさい。
(3)線画を描いていた最中に缶コーヒーの飲みさしを持ち、
「もう残ってないかな?」と何気なく缶を軽く振ったところ、
線画の真上で中身が飛び散りそうになって肝を冷やしました。
ラフに比べると、完成品は動きが硬いように思います。
よく見ると顔の角度からして違っていました。
「1を失敗すると10失敗する」という典型例です。
■ラフ |
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