■2006年12月頃
アッパーデック社牙TCGの第4弾ブースターパック封入作品です。
当時の注文では全4枚中の2番目に描きました。
チップやダイオードが並ぶ流体金属のように柔軟な外皮と、
それを頭部として、そこから伸びるケーブルのような8本の触手。
そして犠牲となるスピリット。
触手の先端は情報を交換するためのプラグになっており、
攻撃対象の頚(うなじのあたり)に突き刺して「接続」し、
これによってエネルギーを吸い取ったり、あるいは洗脳します。
「ジャック(プラグ)+オクトパス(タコ)」というわけですね。
気管支拡張で体調悪化でボロボロだった上、
全てのラフを提出してから2週間ほどが経過しており、
しかも完成品を一枚も提出していない状態でした。
進行を心配した担当さんから打診があったほどです。
「なんとか2枚同時に提出したい」と思って進めたものの、
椅子に座っても数分で根を上げるほど悪化していたため、
それがまともに作品の出来を左右することとなりました。
左下の人物(スピリット)線画が体調を象徴しています。
そんなわけで、当時の注文では最も酷い出来になりました。
こうでないと間に合わなかったとは云え、反省しきりです。
■裏話
・本体そのもののデザインはお任せでしたが、
自分でも「なんだこりゃ」と思うようなデザインです。
頭に浮かんでいたのはメトロイドでした。
スピリットのデザインも自由です。
アニメに登場するスピリットには様々なデザインがあり、
別にモンスターのようなものでも構わなかったのですが、
「犠牲となったスピリットは精気のない顔をしている」
―――という指定のもと、表情を作らないわけにも行かず、
どうなっているのかが分かりやすい「人の顔」になりました。
ラフのスピリットからは加齢臭がします。
■ラフ |
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