■2007年4月頃
アッパーデック社の牙TCGで描いた作品です。
当時の注文分では全2枚中の最後に描きました。
この回の注文は、
「あまり描き込まず、アニメのセル画を意識する感じで」。
カオンは、アニメ本編の第40話「狙われた力」で登場しています。
いつもなら可能な限り細かい表現を入れるところを、
その必要がなくなったため、ちょっと調子が狂う仕事でした。
タイムを記録せずに100mダッシュを繰り返す気分です。
このスピリットは、変わったやつです。
頭部と胴体は分離しており、脚部は崩れた陶器のようで、
体の各所にあるヒビ割れから発火しています。
土塊(つちくれ)で作られた猟犬のようなものでしょう。
背景に関する指定は一切なかったため、
「夜営に奇襲をかけるため、崖から駆け下りるシーン」にするつもりが、
アニメ本編の登場シーンを意識したため、暗くしすぎました。
どうなっているのか分からなくなり、暗さだけにしてあります。
できるだけ提供資料に近づけようと努力した結果、
表情が自分らしく描けただけで、ほかは弄られていません。
■裏話
・これまでの注文とは違う感じで描く仕事だったので、
「お請け頂けますか?」と、改めて担当さんから電話がありました。
なぜそんなことを聞くのか、最初は分かりませんでしたが、
中には「描きたくない」と仰る方がいらっしゃるのだそうです。
引き受けておきながら、あまり役に立てなかった気がします。
同時に、担当さんの大変さを垣間見た気持ちでした。
ラフからも大して変化がありません。
■ラフ |
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