-ガーディアン・クルス……八俣大蛇-
八俣大蛇
ヤマタノオロチ

■2013年1月頃
スクウェア・エニックスのソーシャルゲーム「ガーディアン・クルス」での作品です。
担当作品は公開時期が前後しており、これは数回目の依頼で描いています。

日本人なら聞いたことのない人のほうが少なそうです。
スサノオによって倒された八頭八尾の巨大な蛇で、
その尾から天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)が取り出されました。

仕上げ段階になってリテイクが多発した作品です。
この頃から設定値的に強いキャラクターを担当することになったため、
見た目から派手であるよう注文が入り、おもにエフェクトが大げさになります。

古代風要素に土器の模様を多めに取り入れるはずでしたが、
なにしろ8つも頭があるので、同質の模様を施すには時間的に見て厳しいものとなり、
改めて、そうした手法を実行するためには普段からの経験が必要だと感じています。

描いていて楽しかったのは、大蛇本体よりも背景の注連縄(しめなわ)です。
縮小すると殆ど分からない次元でも、味付けとして思いついたことで集中力が増しました。
既知の何かを取り入れ、それがピッタリと収まる瞬間は「最後の1ピース」で気持ちいいです。

なおこの作品から、あえて蛇を忠実に再現する必要がない場合に限り、
装飾的に"歯"を描き入れるようになりました。

モンスターには変に制限を設けないほうが良いと思うのです。

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