-知っておきたい 伝説の英雄とモンスター-

■発行:西東社
本編でモノクロカット8点を担当しています。

■画稿仕様は前回と同様でしたが、
日程上の都合に加え、担当さんの体調悪化、
終盤で〆切が前倒しと続き、あまり多く描けてていません。

それでも私向きの怪物を選んでいただけたことに加え、
前回からの慣れと、取っ掛かりが掴めたこともあり、
そこそこ能動的に楽しんで描けました。

当初は30点の説明用カット(主なカットの半寸)や、
表紙(主なカットの着色版)も担当するはずでしたが、
それらが終盤の予定変更で取りやめとなっています。

ともあれ縦長の画稿という制約は変化していないので、
可能な限り全身を描ききる方向で進めました。

担当した8点の全てに蛇の要素が含まれており、
鱗(うろこ)を一つ一つ描くのは時間がかかりました。
作業時間の殆どが、この行程に吸い取られています。

4点の参考画像のほかは本書を御覧下さい。

■ドラゴン 本画/ラフ
こう云う姿かたちは私が最も避けている種類でもありますが、
本文と異なっていては意味がないので、あまり弄っていません。
何より本文の内容を知らされないままで描いています。
私の描くドラゴンが好きな人は

■龍 ラフ
名前を除けば前回の「青龍」と大差がない絵です。
ある程度はポーズに差を付けたかったものの、
東洋の龍はまとまりを重視すると窮屈に見えるため、
前回と似たり寄ったりの構図になりました。

■バハムート ラフ
テキスト資料でも"魚"の要素しか読み取れなかった絵です。
バハムートがドラゴンの姿になった理由には諸説あるようですが、
こと日本においては、やはりゲームの影響が強いようです。
結局は魚の要素を踏襲してお任せとなり、私の想像で描きました。
(とくに鼻は大きめにしております)

■ヤマタノオロチ(八俣大蛇) 本画/ラフ
前回に担当した時にも描いたものです。
もちろん流用するわけには行かないので、
どこに差異を作るかが要になりました。
云うまでもなく、それぞれの表情で苦心しております。

■ヒュドラ 本画/ラフ
これも前回に担当したものと同じです。
提供資料により今回は脚が付いていますが、
何かを背面から描いたのは、これが最初かも知れません。
本書を含め、今年は蛇を描いた回数が過去最多になりました。

■バジリスク ラフ
前回とは資料が異なり、共通するのは尻尾と名前だけです。
ただの蛇を描くよりは変化があって楽しいのですが、
やはり大きく広げた翼が描けないのは残念でした。

■ヨルムンガンド 本画/ラフ1 ラフ2
ラフ段階でライターさんからリテイクが入った絵です。
最初は提供資料の通りに尻尾を咥えた状態でしたが、
迫力重視に路線変更され、ややデザインも変わりました。
食後のアナコンダを想像しながら描いています。

■ナーガ ラフ
これもライターさんからリテイクが入った絵です。
最初は頭部のコブラが小さな王冠のような感じでしたが、
ナーガの姿には数種類あるため、折衷することになりました。
肩がこりそうな頭です。


以上、8体でした。

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