- Astaroth - |
我らに跪け、我らに額づけ人間ども。
神は貴様ら如きの生涯が何だと云うのだ。
瞬く間の命を惜しむが如く、地を這いずり回る醜き姿。
その生涯に如何な真を掴むと云うのだ。
天に志を馳せるが故に、神の教えを欺く裏切り者。
清き盤座を礎とし、
あわよくば神に肩を並べんと目論む卑しき魂。
惨たる行いの数々は見知るも汚らわしい。
憐れなり人の子。
人の子よ、生きては浮世の這い蟲たれ。
人の子よ、死しては常世の痴れ者たれ。
貴様ら人間供は、ひと思いに蟲と化すが最善なり。
されば数多の悩める豚は消え失せよう。
愚かなる血筋の全ては永遠に絶え、
この世はこの世に相応しき者が治むであろう。
我はアスタロト。
陽を塗り込めし陰より仕り、滑る血の覆う大地へ破壊を敷き、
灼ける風の駆ける天空へ 滅びの暗雲を塗り込める。
糾う屍の上、通り過ぎては踵を返そうぞ。
常しえに踏みしだかれて朽ちるがよい! |
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Astaroth
(アスタロト / アスタロート / アスタロス / アスタルテ / アシュタルテ
/ アシタロテ / アシトロテ / アストレト)
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■2001年作品
■[1600*1200]
■[1024*768]
■[線画]
エノクの堕天使であり、「ベルゼブブ」の側近であるとされます。
地獄の西方と、日中の磨羯宮(山羊座)を10〜20度まで支配します。
ソロモン王が真鍮の瓶に封印した、29番目の悪魔でもあります。
黒装束に身を包み(或いは全裸)、右腕に毒蛇を絡ませ、 滴るような血で唇を濡らし、常に薄ら笑いを浮かべています。
大蛇かドラゴン、またはドラゴンに似た巨大な獣にまたがって現れ、
全身からは凄まじい悪臭を放ち、これは強い毒性を伴います。
彼は、古くバビロニア豊穣女神『イシュタル』を幹とします。
この後カナアン(パレスティナ)へと語り継がれると、
その名は『アスタルテ』と呼ばれるようになります。
これらの一群の者と供にやって来た者にアシトロテ、
フェニキア人の呼び名で云えばアスタルテ、
つまり、あの三日月形の角を頭に頂いた女王がいた。
月影清かな夜ともなれば、彼女の煌めく像に向かい、
シドンの乙女達は誓いの祈りを捧げ、歌を捧げたが、
同じ歌声は、シオンの山でも響いた。
(ミルトン:「失楽園」第一巻) |
しかしユダヤ人は、この信仰は偶像崇拝だとして嫌い、
更に、カナアンの間に伝わる「アシュタル」と云う男神の名と混同され始めます。
アシュタルは『恐ろしき者』などの異名を持ち、神々の座を狙う者でしたが、
同じくパレスティナに登場する、豊穣神「バアル」の力には及ばず、
アスタルテに吸収される形となり、この時、性転換することとなります。
アスタロトが結果として男性となった顛末には、もうひとつの説があり、
それは、もとは彼が天使(座天使または熾天使)であったため、
「天使には性別がない」とされることに基づいた解釈によるものです。
相前後してやって来たのが、
パレスティナの境界を流れるユーフラテス河から
エジプトをシリアの地から分けている、
例の河(ベソル河)に至る地域において、
バアル及びアシタロテという、一般的な名で呼ばれた邪神で、
前者は男性神、後者は女性神であった。
と云うのは、天使たちは
気の赴くままに、
男女いずれの性をも、或いは同時に男女両性をも、
自分の性とすることが出来たからだ。
(ミルトン:「失楽園」第一巻) |
こうして、時代が中世へ移り変わるに従い悪魔の要素を色濃くし、
「恐怖公」、「地獄の大公」などの異名も冠しています。
悪魔としてのアスタロトは、遠く女神を起源とするには及びもつきません。 人の苦しむ様を嘲り、安楽と嗜虐を好み、人を怠惰に陥れます。
また、彼は自身が堕落しているとは考えていないので、
神が彼を堕天させた過去は不当であるとして、 彼自身が天から落とされた時の様を語り、
召喚者に気取られまいとします。
プライドの高い悪魔です。
ソロモン王に封印された彼は、40個軍団を指揮する公爵です。 作業、構築、造物、実現、金星、銅を司り、 秘め事を暴き、過去と未来を透視します。
常に真実を語り、豊富な科学知識を教示します。
先述の通り、彼の放つ臭気は驚異的な毒ガスです。
召喚者は、自分の鼻先に魔法を帯びた銀の指輪をかざすか、 鼻の下に指輪を装備しておかない限り、たとえ彼を呼び出せても、
立っていることすらままならないそうです。
また、ローマ教皇ホノリウスのグリモワール「ホノリウス書」によれば、
アスタロトは七曜のうち「水曜日」の悪魔にあたり、
彼を召喚するには、22〜23時を選ぶとされます。
・ドラゴンのデザインに悩まされました。
考えあぐねた割に、大して面白いデザインにはなっていません。
■聴いていた音楽
・Nine inch Nails…CLOSER (Further Away)
・Fear Factory…Cloning Technology
・「怒首領蜂大往生 & ケツイ」サントラ…NO REMORSE
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