-Envy-

我を呼び出したのは お前か?

人間ごときが良い度胸だ。
なれば訊こう。

人の食を見て己の餓えを呪ったことはあるか。
人の富を見て己の貧しさを呪ったことはあるか。
人の技を見て己の無能を呪ったことはあるか。

答えよ!
その心に咎を見るか!

我が名はリヴァイアサン。

我が汝の心に ひとつと咎を見出せば、
瞬く間も無く我が牙の内に噛み砕かれるであろう!

逃れたくば、この顎を引き裂いてみよ。

リバイアサン
Liwyathan
Wild tidal Wave
リヴァイアサン(リバイアサン) / レヴィアサン / レヴィアタン / シャリート
<<アスモダイ/ベルフェゴル>>

■2001-10/28作品
■[1600*1200]
■[1024*768]
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■[線画]

七つの大罪の内、嫉妬(妬み)の罪を司るのが海龍リヴァイアサンです。
「リヴァイアサン」はユダヤ語での呼び名とされ、
ユダヤ伝承では「海の怪物」、ウガリット神話(※)では「大蛇」とされます。

※ウガリット神話
  紀元前1600年頃のカナアン(現シリア)における、
  セム語圏民族の間に広まった、ウガリット王朝の神話です。
  バアルなども登場し、これによればリヴァイアサンは、
  バアルによって打ち負かされたとされます。

■バアル


なお、セム語圏には、アラビア語・ヘブライ語・アッカド語、
アッシリア語・アラム語・フェニキア語などが含まれます。

また、リヴァイアサンはアッカド神話にも登場し、
彼は身分は、死神「モト」に仕える海龍であるそうです。
ここでもバアルに倒される部分で共通しています。

旧約聖書では「鰐(ワニ)」に相当するとされます。(ヨブ記 :第41章 14〜34節)
また、リヴァイアサンと云う名は固有名詞ではないようです。
もとは雌雄で創造され、どちらもリヴァイアサンと呼ばれます。
オスの尾ひれが陽光を衰えさせる闇の光を放つために、
神々はそれを嫌い、オスの尾ひれに世界を背負わせました。

この時の雌は世界を背負わなかったために自由であり、
その活動範囲をエジプト近郊の海にまで拡げていたそうです。
この状態をも嫌った神々は、メスの頭を叩き割って殺すと、
その死骸を、砂漠の民(エジプト民)に、食肉として与えたとされます。(詩篇:第74篇13〜14節)

そこでの「民」は冥府の怪物だとする説もあり、
リヴァイアサンが悪魔であるとされるようになったのは、
雌の肉を怪物の餌とした事に起因するともされます。

大陸を背負った彼の役目は、世界の終末と供に終了します。
冥府の海は、この世の下(地獄)に位置している為、
その役目を終えた彼は、この世の海上へと浮上し、
神々から闘いを挑まれる中、罪を許されずに死んだ人間を飲み込み、
この後やはり、雌と同様に殺され食肉として処分される運命にあるのです。
(イザヤ書:第27章一節)

斯様に巨大さの代名詞として捉えられる彼ですが、
神々は、その強さと立派な姿を誇りにさえしていました。
ただしその強大さゆえ、神々すら彼を怒らせはしなかったとされます。


・四角い紙面を最大限に利用するため、対角線に水平線を持ってきました。

■聴いていた音楽
・「パンツァードラグーン・ツヴァイ」サントラ…「予期せぬ敵」

 この曲が無ければ、リヴァイアサンを描けなかったように思います。
 気に入って下さる方が多く、とても思い出深い作品になりました。

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