-Greed-

踊れ踊れ 黄金の亡者。
黄金に惑いて迷いの森で、
踊り踊って 踊りに狂い、
時を忘れて 畑を枯らせ。

転がれ転がれ 黄金の亡者。
黄金に酔いて迷いの森で、
転げ転がり 地の奥底へ、
その身を打ちつけ壊れてしまえ。

汝を待つは地獄の炎。
其は愚かなる痴れ者の集り。
汝を待つは黒金の針。
其は愚かなる痴れ者の宴。

ここに来たらば 無限の黄金。
闇に波打つ 煤けた黄金。

歩け歩け 黄金の亡者。
黄金を求めて迷いの森に、
歩み歩んで 歩みに疲れ、
黄金の前に伏して額突け。

惑い酔い痴れ、求めて従え。
彷徨い続けて倒れてしまえ。

我が名はマンモン、黄金の君主。
闇に住まいし黄金卿。

汝らは強欲に生きた罪で有罪である。

マンモン
Mammon
the Lord of Gold
マンモン / マモン
<<サタン/アスモダイ>>

■2002-12/04作品
■[1600*1200]
■[1024*768]
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■[線画]

物欲・貪欲
七つの大罪の内、「強欲 (Greed)」を司る魔王マンモン。

その名の意味を古代シリア語の「富・財産」に求めます。
ふたつの鳥顔と黒色の体に、鉤爪(かぎつめ)のような手、
両膝にも顔を持つという、奇妙な姿をとります。
名前の相似と、他神との融合における貪欲さから、
エジプト神である「アモン(アメン)」とも同一視されました。

マンモンは物欲を象徴するかのような存在です。
上記の「都大路に敷き詰められた財宝」は、
新約聖書ヨハネ黙示録に記されており、
「透き通る玻璃(はり)の如き純金」となっています。

後世の悪魔学では、彼を天界悪魔九階級(悪魔のヒエラルキー)の中でも、
最も位の低い「天使(エンジェルあるいはソロイネン)」とされました。
人間の物欲を、最も下卑た位置付けにするものです。

またマンモンは、サタンと供に地獄へ落とされた無数の天使に対し、
各々の知恵と力の強大さを訴え、再びこの軍勢をもって叛逆するよう、
声高らかに演説さえしています。(「失楽園」 第一巻)
ルシファーにも劣らぬデマゴーグです。


・サムネイルのページでは、「七つの大罪」の筆頭として表示されていますが、
 この作品はシリーズの後期、「ベルゼブブ」の次に描かれたものです。
 色々とスタイルみたいなものが決まってきたのは、ようやくこの作品からでした。

■聴いていた音楽
・SLIPKNOTアルバム…IOWA
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